うちわの種類

うちわと一言でいっても、あらゆる地域で伝統的なうちわが作られており、それぞれに大きな特徴があります。こちらでは、日本三大うちわについてご紹介致します。

京うちわ

地紙面と把手が別に作られるのが大きな特徴で、別名「都うちわ」ともいいます。細い竹骨を一本ずつ放射線状に並べて地紙面を作り、最後に柄を差し込むという作り方です。

京うちわの始まりは南北朝時代まで遡り、明や朝鮮の沿岸地を荒らしまわっていた倭寇により、京都貴族の別荘地のあった深草へと伝えられました。昔は宮廷でも多く用いられていたようです。

丸亀うちわ

一本の竹で柄と骨が作られているのが大きな特徴で、丸柄と平柄と両方の柄が存在します。

四国の金毘羅宮参拝の土産品として金印の渋うちわ(強度アップのために柿渋が塗られたうちわ)が作られるようになったほか、天明年間(1781~1789)の頃、内職として丸亀藩の下級武士に作らせたことなどで広く知られるようになりました。別名「讃岐うちわ」とも呼ばれ、全国的に生産量トップを誇っています。

房州うちわ

竹の丸みをそのまま活かした丈夫な丸柄が特徴的です。さらに半円の格子模様には「窓」が施されています。

房州うちわの始まりは、明治時代中期にまで遡り、那古(館山市)に住む忍足信太郎により、良質の女竹をササラのように割いて「骨」とする技術が地元に浸透したのが始まりです。昭和初期までは年間数百万本ほど生産されていましたが、現在はかなり激減しているようです。